【論文】Psychoneuroendocrinology誌に 思春期男児における社会的ひきこもり傾向とテストステロンレベルの関連についての論文が掲載されました.

2020年2月13日 00時00分

社会的ひきこもり(social withdrawal)という主体価値の不全に関連する態度の生物学的基盤の一端を解明した研究です。思春期の社会的引きこもりについては、その後さまざまな精神疾患のリスクとも関連することが知られ、早期支援の必要性が指摘されていますが、生物学的基盤について統合的な理解に至っていませんでした。この研究では、思春期前期男女の唾液サンプルを用い、社会的引きこもりとテストステロン値の関連を解析した結果、男児の唾液中テストステロン値は社会的引きこもり傾向と負の相関を示した一方で、女児では相関がみられませんでした。思春期に生じる主体価値の不全に関して、今後も内分泌の観点から生物学的基盤の理解が進むことが期待されます。

<論文タイトル>Social withdrawal and testosterone levels in early adolescent boys. 
<掲載学術誌>Psychoneuroendocrinology 
<DOI>
10.1016/j.psyneuen.2020.104596

論文 思春期 東京ティーンコホート研究