【論文】 Neuroimage誌に 脳内の機能的な結合が 親子関係と心理行動問題の関係に与える影響に関する論文が掲載されました。
2020年6月9日 00時00分思春期の児童には、様々な心理行動問題があらわれます。この研究は、こうした問題の背景に、親子関係を反映する児童の脳の特徴が関与している可能性を検証しました.親子関係の質と児童の心理問題行動には複雑な関係が示唆されています。例えば、同じ親子関係でも、父子・母子関係では児童の問題に異なる影響を及ぼし得ます。この研究では、親子関係の各側面と相関する児童の脳領域間の機能的結合の集合体(connectome)から、「コネクトーム予測モデル」という手法を使って、思春期早期の心理行動問題の予測を試みました。その結果、引きこもりなど、特に女児の内在化問題に関して、モデルの予測値と実際のデータで強い一致を観察しました。この結果から、児の脳機能ネットワークが、親子関係に関する重要な情報を表現している新しい可能性が示唆されました。
<論文タイトル>Functional connectomes linking child-parent relationships with psychological problems in adolescence.
<掲載学術誌> Neuroimage
<DOI>https://doi.org/10.1016/j.neuroimage.2020.117013.