【論文】新村順子 主任研究員が「トラウマ・インフォームドケア」についての論文を発表しました。

2019年5月12日 00時00分

当事者が経験してきたトラウマとその影響を理解し、再トラウマ体験が起きないように配慮した支援を提供する“トラウマ・インフォームドケア(trauma-informed care:TIC)”は、北米やオーストラリア、英国などを中心に普及が進んでおり、様々なTIC介入プログラムが開発されています。TICの成功を導く要因のひとつに、スタッフの“TICに対する態度”をより前向きにするTIC教育プログラムの充実が挙げられます。
 これまでの教育プログラムの効果についての研究では、効果とその持続性を測る尺度がばらばらで、中には根拠が不確かな尺度を使ったものもありました。本研究では、北米で開発され標準化されたTICに対する態度を測定する尺度(Attitude Related Trauma-Informed Care scale: ARTIC)を用いて、精神科病院のスタッフに対するTICの教育プログラムの効果を検証し、有意な効果があったことを認めました。この結果から、日本においても、TICの教育プログラムを用いてTICを精神科領域に普級していくことが充分可能であることが示唆されました。

<論文タイトル> Effectiveness of 1‐day trauma‐informed care training programme on attitudes in psychiatric hospitals: A pre–post study
<掲載学術誌> International Journal of Mental Health Nursing(2019年5月12日 オンライン掲載)
   doi: https://doi.org/10.1111/inm.12603

詳細は次のリンクよりご覧ください。 (Abstract)

論文 成人期 トラウマインフォームドケア