【論文】Journal of Positive Psychology誌に 思春期における自己制御能力と将来への希望の相互作用が 老年期のウェルビーイングに及ぼす影響を 60年間追跡した英国出生コホートデータにより示した論文が掲載されました。

2020年9月16日 00時00分

世界人口の高齢化にともない、高齢期の幸福感を支える要因の解明に国際的関心が集まっています。特に、出生から高齢期までの人生を連続的に俯瞰し、若い頃のライフステージ(思春期・青年期など)のどのような要因が高齢期の幸福感を高めるのか、そうした問いを人生縦断的な実証研究(ライフコース疫学研究)によって明らかにすることが期待されています。
当研究所・社会健康医学研究センターの山﨑修道主席研究員、西田淳志センター長らは、ロンドン大学と共同研究を行い、第二次世界大戦直後に英国全土で開始され60年以上にもわたって継続されてきた大規模追跡調査のデータを分析し、思春期の時点で抱いていた価値意識、具体的には「興味や好奇心を大切にしたい」という価値意識が、高齢期の高い幸福感を予測することを世界ではじめて明らかにしました。
この結果は、高齢期の幸福感を高めるためには、思春期・青年期の若者たちの興味や好奇心などの内発的動機をはぐくむ環境づくりが大切であることを示唆しています。
本研究成果は、2020年9月16日(水曜日)に、英国科学誌「The Journal of Positive Psychology」オンライン版に掲載されました。

<論文タイトル>Interaction of adolescent aspirations and self-control on wellbeing in old age: Evidence from a six-decade longitudinal UK birth cohort.
<掲載学術誌>The Journal of Positive Psychology 
<DOI>10.1080/17439760.2020.1818809
<URL>https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/17439760.2020.1818809
<プレスリリース>http://www.igakuken.or.jp/topics/2020/0916.html

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