小宮山 泰央 Yasuo Komiyama
トヨタ自動車株式会社
東富士研究所勤務 1986年入社
自分が10代に受けた影響は大きく、それを研究されている皆さんの成果が、未来を担う子供たちの将来に役立つことを期待しています。
私は現在、トヨタ自動車(株)東富士研究所に勤務し、レース(モータースポーツ)用エンジンの組付けを担当しています。小学生の頃から車が好きで、雑誌を見たり、中学時代には自宅から15キロぐらいのところにある富士スピードウェイまで、毎週末のように自転車で通ったりしていました。将来は何になりたい…というような大きな希望はありませんでしたが、中学以降の進路を決める時に、トヨタや日産という大きな自動車会社の中には企業内訓練校があり、勉強しながら仕事を学び、給料を得、高校卒業の資格も得られるということを知って、トヨタ工業高等学園に入学しました。親元を離れての全寮生活と厳しい先輩や指導員に囲まれて自立心も向上しました。在学時代にこっそりレーシングカートを買ってレースに出たり、一人で鈴鹿サーキットへ行ったりしていたことが通じてか、卒業後の配属はレース用エンジンの開発部署に配属されました。また、仕事以外にも趣味として自分の車でサーキットを走ったりしています。
そのような行動から、自他ともに認めるレース好きと言われますが、一見華やかなレースの世界は、決してミスの許されない厳しい技術開発競争の場でもあり、苦労の連続です。それをやり遂げた時の達成感は何事にも代えがたいものですが、今こうしてそういう場所に居られるのは、自分は一貫して車が好きで、それを通じた仕事で何かの役に立ちたいという思いが周囲にも伝わっているからと感謝しています。そういう意味においても、自分が10代に受けた影響は大きく、それを研究されている皆さんの成果が、未来を担う子供たちの将来に役立つことを期待しています。
(2016年6月)
Profile
WRC(世界ラリー選手権)、GT(国内ツーリングカー選手権)、CART(アメリカ チャンプカー選手権)、スーパーフォーミュラ(フォーミュラニッポン)、F1等のトヨタが参戦する国内・海外の主要レースのエンジン組付けと開発試験を担当。2014年から2016年までトヨタF1プロジェクトの拠点ドイツTMGに出向してF1エンジンの組付けと車両のテストチームに帯同。現在はルマン24時間レースを始めとするWEC(世界耐久選手権)用エンジン組付けチームのリーダー。自身もドイツで行われるニュルブルグリング24時間レースに参戦に向けて活動を展開中。