世田谷区立希望丘青少年交流センター(アップス)

東京ティーンコホート研究では16歳時の調査が始まったということですが、今年2月にオープンした世田谷区立希望丘青少年交流センター「アップス」は、まさにそうした思春期の中学・高校生世代から20代の若者を主な対象とした施設です。「家でも学校でもないものを。」というキャッチコピーのもと、サードプレイスとして多くの若者が利用しています。

アップスには自由に過こすことができるフリースペースのほか、ダンスや卓球ができるホール、ハイカウンター席が並ぶカフェ、バンド活動などができる音楽スタジオなどがあります。若者たちは、音楽やスポーツを楽しんだり、何することなくただ仲間といたり、スタッフと話したりと思い思いに過こしています。

イベントなどはあまり行わないようにしていますが、若者の「やりたい」を実現するため「アクション!」というプロジェクトは定期的に行っています。このプロジェクトでは、月に1回、会議を行って次は何に取り組むかを検討し、それを実現するために自分たちで準備から運営を行っていきます。これまでに、「お泊り企画」「ドッジボール大会」「映画会」などのプロジェクトを実現させてきました。今後も若者が自分の「やりたい」を見つけ、失敗を恐れずにチャレンジできるように応援していきたいと思っています。

アップスを利用する若者は、元気そうに見えていても、それぞれが多様な悩みを抱えているようです。学校や家庭のことだけでなく、大人社会への疑問、自分の将来への漠然とした不安、必要以上に周りの目を気にしていて自分らしさを表現できない、「やりたい」ことがないなど、本当に多様です。スタッフとしては、若者の気持ちに寄り添い、若者がポジティブに前進できるように後押ししたいと考えています。そのためには、このティーンコホートの調査結果が、若者と向き合い、応援するために大切な指標になると考えています。1人1人の「やる気スイッチ」はなかなか見つかりませんが、この調査を参考に、若者が自分のスイッチを確実に見つけられるように応援していきたいと思っています。